スキップフロアが楽しい家 2×4工法 グラスウール充填断熱 施工事例

変形敷地のデメリットを感じさせない間取り

半年かけて一緒にお土地探しからはじめたI様のご計画。 お土地は誰でも安く手に入れたいもの。でも、安い土地には安い理由があり、大抵は施工性が悪く工事費に跳ね返ってきます。工事費の増額要素とこの土地ならではの独特なプランによる気持ち良い家作りの可能性を感じ、お客様と出会って半年後、計画地が決まり、いよいよキープランを検討がはじまりました。
この計画地の敷地形状は「T字型敷地」。東側の道路から2m幅の細長い路地状敷地が15mも続き、奥の西側にようやく建物を建てられるスペースがあるという非常に特殊なTの字型の形状の敷地でした。それだけ考えますと、重機も入りませんし工事も大変です。それでもこの土地は公園に面した西側に緑樹の借景があり、南側の隣家も低く離れ、空がとても大きく見える珍しい条件が揃っておりました。このダイニングの窓は公園の緑を楽しむために設けました。

狭小地で最大のメリットが出せる2×4

木造では主に軸組工法と2×4工法がありますが、それぞれにメリットとデメリットがあります。この計画地のように構造材を組むためのレッカー車が入らない敷地には、現場の手組みのフレーミング施工が可能な2×4工法をおすすめします。コスト面、構造面で合理的です。また、狭小地はLDKの間口を広いスパンで確保するにも敷地的に限界があるため、軸組みより大空間が取れない2×4のデメリットは、かえってマイナス要素にもカウントされないメリットがあります。

良い地盤との出会いを設計に生かす

早々に地盤調査をし、ロームが地表近くにあったため、深基礎で半地下室を設け、余計な地盤改良のコストを省ける設計にしました。半地下があることで、屋内はスキップフロア構成とし、南側の一番高い場所にルーフバルコニーを設置しました。工房の住宅は、断熱気密性能が高いため、半地下から塔屋までの一体的な空間でも温熱環境に大きな変化が起こりにくい。限られた床面積を狭く感じさせないよう、贅沢な天井高のあるLDK空間を家の中心に設計しました。

 

ユニークな家づくり

現場の工事が始まっても注文住宅では、色や素材などを細かく決定していきます。 スキップフロアで壁が連なっている長手方向の大壁には、くすんだ淡いブルーのアクセント色を選びました。オークの無垢フローリング、台形にカットしたウォルナットのダイニングテーブル、変則的な配置のアイランドキッチンなど、ユニークなお住まいを心がけました。 「人がわいわい集うような家」づくりは、お客様との信頼関係によってよいかたちで実を結びました。

所在地:東京都杉並区
竣工:2014年4月
用途・規模・構造:専用住宅・木造(2×4)・地上2階建 PH1階
断熱:内断熱/グラスウール
敷地面積、建築面積:敷地面積 96.52㎡、建築面積 42.23㎡
延床面積、各階面積:延床面積 86.11㎡
設計:株式会社工房 一級建築士事務所

 

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